《知っトク》子供を育てる先生の資質
先生(講師)の最も重要な役割は、生徒に『気づき』を与え、行動に変化を起こさせることです。
何かを身につけさせようとするとき、彼ら自身がその必要性を理解して、意識的に目の前の問題に取り組もうとしなければ、思うような成果は得られません。
ですから、指導する側は、上手に教えるテクニックはもとより、まず生徒の感情に働きかけ、自発的に取り組もうと思わせるような、そんな強い影響力が必要になります。
しかし、そのやり方も昔とはずいぶん変わって、厳しく鍛えるというだけではいきません。
かといって、最近の流行の先生が生徒と対等の立場で成長をサポートするというコーチング指導法だけでは、どうも心もとないようも思えます。
生徒も10人よれば、10人分の全く違った個性・性格・学力があります。
指導する側はそのことをまず、心よりわかっておくべきでしょう。
指導者はそんな生徒たちの個性に合わせて、いくつものやり方を使いわけなければなりません。
厳しく叱り鍛えてやることもあれば、温かく励ますこともあります。
細かく教えることもあれば、ヒントだけ与えて放っておくこともあります。
それぞれの生徒がどんなタイプなのか、先生は見抜く目を持たなければなりません。
言葉の説得力と同時に、そういう洞察力を持っていることが、指導者にとっては不可欠な資質だと思います。
言葉でいうのは簡単ですが、これが実に難しい。
自分の教えたことを生徒ができるようになるばかりでなく、人として成長する過程を目の当たりにすると、心が大きく揺さぶられる感動を覚えることがあります。
人を育てる仕事には、そんな大きな喜びと面白さあると日々感じています。