《知っトク》数学(算数)のできる子・できない子
小学校低学年のときは算数が得意だったのに、高学年になると文章題が多くなり苦手になった。
実はこれ!算数が得意だったのではわけなく、計算という作業が得意だっただけのです。
親は子供が計算ができると『よくできたね』と褒めますし、子供の方もそれで算数とは計算のことなんだと自然と思い込んでしまいます。
結果、計算だけできていればという意識が、式を作ると思考作業を軽視させ、だんだん算数がわからなくなってしまうわけです。
だから、確かに計算能力も大切ですが、文章題を解こうとする思考能力を伸ばしてあげることが算数をまた得意にしてあげることに直結します。
数学(算数)がだんだんできなくなってきている子の特長。
①文章題を見ただけで、固まってしまっている子。
何をどうすればよいかさえ分からない、思考停止している状態です。
本人が考えているつもりなだけに、これの悪いクセを取るには時間を要します。
②計算はすごく得意、文章題もヒントをもらえれば大丈夫という子も、実はできない子のかなり予備軍です。
①と②の子に共通していることは、そもそも文章問題を見れば、計算式がパッと思い浮かぶもんだと思っています。
本来、計算式とは、ああかなこうかなと思案して出てくるものなのですが、その作業を全くしていないし、そもそもするもんだととも教えてもらっていません。
式は誰かが教えてくれるものなのですね、この子たちとっては。
では、数学(算数)のできる子の特長と言えば・・・
文章問題を見ると、図を描いたり、表にしたり、絵を描いたり、簡単な数字に置き換えて実験してみたり、とにかく試してみる子です。
このクセがしっかり小学校の時からついている子は、中学・高校になっても数学ができる子です。
そうです。
算数・数学とは、計算能力のことではなく、試行錯誤する能力のことなのです。
算数が苦手な子のことを、ちょっと思い起こしてみてください。
足し算を使うか?引き算を使うのさえ、すぐ聞いてきませんか。
もしくは、文章題が解けたとしても、それはその上の問題が足し算だったら、同じようにしただけのことです。
できる子も実は、出だしは、できないと同じで問題を見たときからわかっているわけではないのです。
わからないから、あれこれ試しながら、その過程でアッとひらめき、正解の式を導き出しているのです。
みなさんも、ひらめき(気づき)のための過程を大切にしてください。
気づく為の試行錯誤こそが最も大切で、算数をしている瞬間なのです。
頭でだけ、考えるんではないですよ。
わからないときこそ、必ず紙に書いて色々試してください。
この試行錯誤の能力が、受験数学ばかりか、将来の人間力を育てることに繋がると考えます。
お母さん・お父さんも、お子さんを褒めるときは、難しい計算ができた・問題が解けたことよりも、試行錯誤する過程を見て、つまり間違った過程を褒めてあげてください。
試行錯誤する作業は、何も算数に限ったことではなく、日常生活の中にも溢れています。
そこを日頃から褒めてあげてみてはいかがでしょうか。
そうすれば、きっと勉強にもいい影響を与えますし、活力溢れる健やかなお子様の成長に繋がるはずですよ。