《知っトク》なぜ、数学を勉強するのか?
「計算ができたら、数学なんかできなくても、将来困らんやろ」
数学嫌いの子はみんな、どこかでこう思っているんではないでしょうか。
それに対して、私たち大人も明確な答えを持ち合わせていませんから、子供も、『やっぱり』と思ってしまいます。
実は、数学とは、『考える力』そのものを扱い、『生きる力』を養う教科です。
数学が得意でなくとも、大人になって困ったりはしませんのよ。
でも、知らないうちに損もしています。
数学を勉強していれば、日常生活の中で『大切なこと』・『得すること』を気付けたのに、そうでないと、気付かずに目の前を通りすぎてしまっていることがあります。
論理的な考えを養うのが、数学です。
数学は、そこにはないものが見えてしまう力を養います。
数学は、思いがけないところからヒントを拾い上げていく柔軟性を養います。
思考に関する全てが数学にはあるのです。
だから、数学で頭を鍛えておいた方が、将来の人生が断然面白くなるはずです。
数学が買い物のお釣りを計算する時にだけ役立つと考えるのは、大きな間違いです。
数学は、大人になるための訓練でもあるです。
ひとつひとつ積み上げていく面白さ、今日も明日も一歩ずつ積み上げていく面白さがあります。
課題に対して、さあ、どうしようかな、と楽しみながら取り組める面白さがあります。
自分の頭ひとつをフルに回転させ、漏れや矛盾なく思考を積み上げていくのが、数学です。
大人になれば、学生時代に習った数学の公式など必要なくなりますが、でもみんな日々何かしら頭を使って考えているわけです。
それは人間として生まれてきた以上、当然のことです。
と同時にそこが問題で、考えるだけなら誰でも考えているわけで、思考の質といいますか、どんな風に考えていたら人生が自分らしく楽しくなるか、というのが一番大切な事だと思います。
大人が子供達に、そのことをしっかりと教えてあげれれば、数学に対する子供たちのグチもグッと減ってくるはずです。
数学の苦手な子が、新しい問題にぶつかったときに、よく言う言葉があります。
『これ、まだ習ってないよ』と。
それに対しては、大人はこう応えればいいのです。
『あなたの人生、これから先ずっと習っていないことだらけだよ』と。
数学を勉強する本当理由とは、『人生を切り拓いていく力』を養うことだと言っても過言ではないと、私は思います。