《知っトク》算数・数学で必要なのは『要約力』
『要約力』というと、国語の話しをしているようですが、これは算数・数学でも最も大切な能力です。
要約力とは、「結局のところ、相手の言いたいことは何なのか」という視点をもつ、ということです。
例えば、試験問題というは、出題者と解答者との対話です。
出題者は出題者なりに頭を絞って、ここを見てやろう、これがわかるか測ってやろうと思いながら、問題を出してきます。(お子さまは、いかがですか)
それなのに解答者側が問題から数字だけ抜き出して足したり引いたりしているのでは、
全然会話が成り立たないわけです。
逆に、出題意図がわかっただけで解けてしまう問題というのがほとんどです。
いわゆるできる子は、そこがしっかり分かる子供で、私の指導に対しても「あ、そういうことか」と強い反応を示してくれます。(子供の顔を見ればわかりますね)
その反応を私は大切にしています。
この子は、どれだけわかっているのかと。
ある問題があったときに、出題者=作者は何を言いたいのか、どこにポイントを置いているのかという大枠をつかんで、初めて何算で解くかという手段・技術の選択があるわけです。
けれども、要約力のない子供は、そこを、パターンの暗記や単純計算のような機械的作業で処理したがります。
作者のねらいを理解しようという柔軟な姿勢がもてないから、持ち合わせの中の、どの手段をとればいいのかが判断できずに苦労することになるのです。
小学生高学年にもなってくると、できる子とできない子が、だんだん分かれてきます。
そこを本当にしっかりと、塾・学校・家庭は指導し、見てあげる必要があります。
では、出題の意図、相手の言いたいことがわかるために、大事なことは何でしょうか。
それは、「聞く」ことです。
相手の言葉に集中して耳を傾け、相手の考えの流れに沿って、一緒に考えるような聞き方ができることが大切です。
「え、これだけで・・・?」というかもしれませんが、相手の言いたいことのカギを探すという視点をもててこそ、解答にも的はずれにならないのです。
では、では、その要約力ってどうすれば、身につくのか。
もちろん、私の塾でもくどいほど要約力を子供たちに説いているわけですが、ご家庭でもその要約力を養う訓練は実にカンタンにできるのです。
ズバリ、『家族でのコミュニケーション』です。
子供を机に向かせ、お母さんの方が算数を教えることに躍起になってしまっていませんか。
それもよいことでしょうが、まずは『親と子供との会話』を大切にしてください。
お母さん自ら、相手の言葉に集中して耳を傾け、相手の考えの流れに沿って、一緒に考えるような聞き方ができていますか。
テレビを見ながらではダメですよ。