《知っトク》中学入試 新聞こそ身近で最良の教材(前編)
◎「読解力」こそ基礎学力
文章から式をつくるには、算数の知識だけでなく、言葉や文章の意味を正しく理解して、出題者の意図を読み取る力が必要になります。そう、読解力です。
でも、本を読む(読書)だけでは、「説明文」を理解する力は育ちません。
ひとことで言えば、小説に求められる読解力が行間を読む力だとしたら、説明文を読むときに重要なのが、書かれている文章そのものを理解する力です。
算数などの説明文を読み解くのに求められるのは、行間を読む力よりも、書かれた文章を正しく理解する力です。
感性系の読書をするだけでは、どうしても身につきづらい論理的な読解力も、新聞を読むことで養われます。
◎新聞を読めば・・・
新聞を読む習慣をつけると、語彙力が飛躍的に伸びます。
言葉を知れば知るほど、学習効率もアップします。
それに文脈から語意を推測する力も育ちます。
多少難しい文章でも、細かいことは気にせず読むことで、多くの情報に触れられますし、子供の頃の吸収力は極めて高く、放っておいても辞書に載っていないような難しい
単語や慣用句でも、次々と自分のものにしていくでしょう。
また国語だけでなく、算数他すべての教科の教材となります。
教科書外の知識を得ることで、教科書への興味も育ってきます。
新聞に触れることで、ただ教科書で覚えただけの知識とは段違いの実力がつくはずです。
◎できるだけ早いうちに「考える力」を養うことが急務
毎年行われる文部科学省の全国学力テストの傾向でも、明らかになってきています。
最近は知識よりも考える力を問うテストが増えています。
これからの将来、「答えを覚える」式の学習方法はもう通用しません。
「考える力」が学力の新しい柱になりつつあります。
私の塾でも重視していますが、子供の「考える力」は家庭でも伸ばすことは可能です。
親の地道な語りかけで、子供の頭が動き出すのです。
親が子供の意見を引き出して聞いてあげると、子供は考えることがだんだん楽しくなります。
その道具として、新聞を使って意見を引き出してあげるとよいでしょう。
するといつしか自分で考えることが楽しくなり、自分から意見を聞いてほしいとなってきます。
考える力のベースには、知識が必須です。
子供の頃から新聞に触れる機会を増やしてやることで、将来、知識量に圧倒的な差が生まれます。
新聞を読むことで、頭の中にたくさんの引き出しを作ることができます。
引き出しが増えることで、自分の意見をいろいろと展開できるようになり、自分で考える力もそこに養われ、自ずと学力の基礎中の基礎「読解力」も育ちます。