《知っトク》勉強できる幸せ・・・学生諸君へ
平和で豊かな日本に住む私たちは、自分のいる環境が世界中では奇跡的に恵まれていることに気づかずに、ごく当たり前の平凡なこととして受け入れがちです。
だから、この自分の幸運をつい粗末に扱ってしまいます。
でも、世界では今この瞬間、戦争が起こり、地域紛争に巻き込まれ、飢餓・貧困に苦しんでいる人たちもいます。
もちろん子供も例外ではなく、今日無事でも、明日には死ぬかもしれないという状況にあるのです。
それ方がむしろ、世界で起こっている現実と言えるでしょう。
自分たちではどうすることもできない彼らに、「今、一番望んでいることは何?」と尋ねると、どう返答したと思いますか。
平和が当たり前の日本で暮らす君たちが一度、彼らの答えを想像してみてください。
「早く平和になってほしい」。「死にたくない」。「おなかいっぱい食べ物がほしい」。
こんな答えが返ってくると容易に想像できませんか。
でも、そうではなかったのです。
明日をも知れない環境で、幼い子供たちは、それさえ全く望めぬことだと十分に理解しているのです。
自分の置かれた境遇の危うさ、自分では打開できない状況、自分ではどうしようもない刹那を常に肌で感じているのです。
そんな中、あえてみんな口をそろえて、こう答えたそうです。
「学校にまたいつか行きたい。学校に行って友達といっしょに勉強がしたい」
これが、子供達の一番多かった願いだそうです。
空腹を満たすこと、命の保証よりも、勉強したいと、彼らは望むのだそうです。
私たちとは対極の環境に住む彼らの心境をおもんばかってみてください。
想像をはるかに絶していますが、君の心の芯を締めるものを感じませんか。
私たちにとっては現実離れしたこの話しも今起こっている実話であって、現実離れしているのは私たちの方なんですよ。
決して絶対に遠く離れた自分たちは無関係な世界のことだなどと思わないでください。
そこに行こうと思えば、地球を半周もすれば、一日足らず行くことも可能なのです。
そこでは同世代のたくさんの子供たちが、今日の命をつないで一生懸命生き抜いています。
どうでしょうか、みなさん。これを聞いてみて。
何不自由のない快適すぎる環境のもと『机に向かい勉強できる奇跡的な幸福』を、君たちはムダにしていませんか。
それでも、まだムダにできますか?
勉強することにくじけそうになったとき、どうぞ思い出してください。
そして今君たちができる一番の方法をもって、自分の人生を一生懸命生きてください。
幸運にもそれが君たちには可能なのですから。