《知っトク》文章題ができないは、どうしてか?
『ウチの子供が文章題ができないのは、やはり本を読まないからなのでしょうか?』
『本をたくさん読む子供なのに、どうして文章題ができないのでしょうか?』
新規入塾生の保護者の方から、こんな質問をよく受けます。
ここにまず根本的な誤解があります。
本をたくさん読むことや読書が好きなことと、文章題が解けることは、実はあまり関係がありません。
文章題が解けない理由はただひとつ、《精読》ができない、これだけです。
これは、子供に音読をさせてみるとすぐにわかりますが、文章題が苦手な子供というのは、決まってもう見事なくらい読み落としをします。
勝手な読み方と言うか、だいたいこんなことが書いてあるのだろうという思い込みから来る語尾の読み間違いであったり、単語そのものの読み間違いだったり、ひどいのになると漢字を飛ばして読んだりと、間違い方にバリエーションはありますが、必ず読み落としをしています。
だとすれば、どんな良い塾で、すばらしい先生に指導を受けても、成績が伸びないのは、頷けるでしょう。
誰も読み方にまで子供に注意する大人はいないわけですから。
ですから子供としても、読み間違いは単なるケアレスミスのように軽く考えてしまうのは当然のことで、いつまで経っても同じ失敗を繰り返すだけで、文章題を読むということの本物の構えに気づきません。
それならばと、お母さん方は、子供に「ちゃんと読みなさい」と叱咤激励することでしょう。
でも、残念ながら「ちゃんと読みなさい」で、読むようになった子供は一人もいません。
なぜなら、精読力のない子は、だらだら読むことが読むこと(精読)と思っているのです。
テレビを見ながらでも、おかしを食べながらでも、消しゴムを突きながらでも、それをちゃんと読むことだと思い込んでいるのです。
必要なのは、文章題を読むということは、読み落としや読み間違いをせず音読できる力を養うことです。
一字一句読み落とさない、集中した読み方を体得することです。
そうできるようになってこそ、文章の中身が理解できるようになるのです。
私は、塾生を指導するとき、小学生のうちから特に気を配っていることです。
家庭でも、勉強に限らず日々の生活の中で、子供の集中力を養ってあげることは、
すごく大切なことだと思います。