《知っトク》理解度の違い
私も指導者の端くれとして、問題の解説には自信があります。
子供に「この問題、わかった?」と聞くと、決まって「うん、よく分かったよ」と答えてくれます。
でも、その何人かは、自分で解くとなると、なかなかうまく解けないということがあります。
ここには、指導する側の求める理解度と、それを受ける側との理解度にギャップあるのです。
子供が示す理解度には、いくつかのレベルがあります。
◎レベル1:問題の解説を聞き、うなづいてはいるが、実は適当で、分かったフリ。
これは問題外、要注意。
勉強しろと言われるからしているだけで、問題意識ゼロ。
学校の授業や一斉授業の塾で、見られるパターンです。
何のための勉強・塾なのか・・。
まず、そこから子供に理解させなければなりません。
◎レベル2:問題解説を聞けば、わかる。でも、自分だけでは正しい答えを導き出せない。
指導熱心な家庭教師や個別指導に見受けられるパターンです。
指導している側もすごくやった気になれるのですが、でもなぜか子供は自分ではできない。
指導する側が、ちゃんと子供自身に考えさせていないのが原因です。
子供も解説を聞けば分かるので、わかった気になってしまうのが、落とし穴です。
◎レベル3:自分で解ける。
このレベルに達して、初めて理解したと言えるでしょう。
自分で問題を解けない子供は、できる・分かるとはレベル3のことだと、しっかり理解していないのです。
ましてや、どれだけの指導者が、このあたりを意識して指導にあたっているかも疑問なところです。
そこで私の塾では、「分かった」というのは、レベル3であるということを常に子供に理解させるように心掛けています。
レベル1はもちろんのこと、レベル2でもダメなんだと、しっかり子供に理解させないといけません。
では、子供が理解しているかどうかをはかる個別指導の方法とは、何か。
ひと手間ですが、効果絶大です。
その子供が解けなった問題を私が解説指導した後に、必ず子供に説明させるようにしています。
しっかり理解していないと、他人に説明なんてできません。
子供にそれをさせるのです。
これが、その子がレベル3に達しているかどうか確かめる私の手法です。
私に「わかった?。じゃあ、説明してごらん」と言われ、自分で説明できないと、
「それは分かったとは言わない。もう一度」と言われるわけですから、子供も気が抜けません。
子供の方も、うかつに「わかった」なんて言えなくあるわけです。
実際には、子供一人一人の能力や性格を見ながらになるのですが。
これを繰り返すことで、子供が自分で考えるクセがつき、その能力が必ず育ちます。
自分で解ける段階まで、自分で自分のハードルをあげてくるようになるわけですから、おのずと自分だけで正解にたどり着けるようになってくるのです。
ちなみに、レベル4、てのもあります。
これは、自分で問題を作るレベルに達することです。
迷路クイズの好きな子供が、自分で迷路を手書きで作り出すのが、これに当たります。
自分で作る醍醐味を知ると、作成者側の大変さや面白さを知り、他者性や「作成者のねらい」がわかってくるようになります。